2024.10.28 第33回静岡県精神保健福祉大会が開催されました
公益社団法人 静岡県精神保健福祉連合会(もくせい会)
2024.10.28 静岡県精神保健福祉大会が開催されました:静岡県総合社会福祉会館703会議室
明生会から5名の会員が参加しました
第1部 10:30~ 式典
明生会の 石榑 純子(いしくれ すみこ)さんが、令和6年度功労者表彰を受賞しました。おめでとうございます。
石榑さんは、明生会に平成12年に入会。平成14年に理事に就任し、平成15年には副理事長に就任。明生会の法人化に尽力されました。
理事退任後も「泉の家」の設立に関わり、現在まで浜松市家族相談員を担当されています。今後も明生会の活動へのご助言やご助力を頂きたいと思います。
第2部 11:30~ 大会スローガン、大会アピールの採択
第3部 13:00~ 記念講演「障害があっても地域で安心して暮らせる社会の実現を目指して」
講師:増田 樹郎(ますだ たつろう)氏 静岡福祉大学学長
先生の専門分野は、「福祉学・臨床哲学」で、研究テーマは「福祉臨床の哲学、当事者の意思決定支援」です。
講演のお話の中では、30%~40%の障害者が、最初の相談の中で「話をよく聞いてもらえなかった」、「人として、その尊厳をないがしろにするような対応をされたことがある」と答えているそうです。そこから生まれる「エンパワーレス(自信喪失)」をどう乗り越えていくのかについてのお話では、まずは、当事者が「どう生きたいのか」「どのような暮らし方をしたいのか」という当事者の「意思」決定が大切だということです。そのための「情報(当事者はコミュニケーションすること、体験すること):(支援者は伝えること)」、「声(当事者が想いを語る):(支援者の傾聴)」「選択(当事者が意向を持ち、選ぶということ):(アドボケイト=支援者は当事者の思いを代弁する、家族の気持ちを支える等)」の3つが「意思」決定に関わってくるとのお話でした。
そして、「ご近所福祉」の大切さ、つまり、ご近所で気にかけあう関係性の構築、「制度」の隙間を支え(家族会もこれを担う)、多くの人と人の繋がりを作っていくことがセーフティーネットになるとのことでした。
当事者は、「地域で生きる義務がある」とおっしゃっていたことが印象的で、「地域で場づくり、語り合いの機会づくり」、「みんなの出会いとふれあいの活動」などを通して、当事者が地域で生き、地域の人々が当事者のことを理解していく。そして、それは「受け手」も「担い手」もないという関係ができることが大切だとのお話でした。先生が体験してきた具体的な例を出していただきながらのお話で、とても有意義な講演でした。